目黒区碑文谷にある、学校法人 ICSカレッジオブアーツ校舎のエントランスギャラリーにて、建築家リナ・ボ・バルディが手がけた家具群の展示をおこないます。
女性として多くの困難があった時代に自ら道を切り拓き、地域に根ざしながら異なる文化や価値観をつないできたリナ・ボ・バルディと、ICS創立者・柄澤立子。「空間や建築は、人のためにあるべきものだ」という信念を、それぞれ異なる場所と文脈のなかで実践してきた二人の共通点に着目し、今回の展示は企画されました。
女性として多くの困難があった時代に自ら道を切り拓き、地域に根ざしながら異なる文化や価値観をつないできたリナ・ボ・バルディと、ICS創立者・柄澤立子。「空間や建築は、人のためにあるべきものだ」という信念を、それぞれ異なる場所と文脈のなかで実践してきた二人の共通点に着目し、今回の展示は企画されました。

ICSカレッジオブアーツは、1963年、東京オリンピックを翌年に控え、都市と生活のあり方が大きく変わろうとしていた時代に、柄澤立子によって創立されました。
まだカーテンやカーペットが一般家庭にはほとんど普及しておらず、「インテリア」という言葉自体も一般的ではなかった時代のことです。
創立のきっかけは、一人の主婦でした。当時、庶民のあこがれの的であった住宅公団に入居した彼女は、コンクリートの箱のような住空間に強い違和感を覚え、どうすれば人が心地よく暮らせるのかを考え始めます。やがて、女性の立場から「住まい」について意見し、提案することを決意します。その思いに建築家やデザイナーたちが共感し、「これは面白い」と集ったことが、ICSの出発点となりました。その主婦こそが、柄澤立子自身でした。
まだカーテンやカーペットが一般家庭にはほとんど普及しておらず、「インテリア」という言葉自体も一般的ではなかった時代のことです。
創立のきっかけは、一人の主婦でした。当時、庶民のあこがれの的であった住宅公団に入居した彼女は、コンクリートの箱のような住空間に強い違和感を覚え、どうすれば人が心地よく暮らせるのかを考え始めます。やがて、女性の立場から「住まい」について意見し、提案することを決意します。その思いに建築家やデザイナーたちが共感し、「これは面白い」と集ったことが、ICSの出発点となりました。その主婦こそが、柄澤立子自身でした。

ICSは、日本で初めて「インテリアデザイン」を専門的に学ぶ教育機関として誕生しました。インテリアや住空間を単なる装飾としてではなく、生活そのものを支える行為として捉える視点が育まれていきます。家具制作や模型制作、製図など、手を動かしながら空間を理解する実践的な教育は、「頭で考える前に、まず手で考える」というICS独自の姿勢を形づくっていきました。
ちなみに、創立当初の第1期生は全員が女性で、卒業後には池袋の百貨店において、日本で最初期となる「デコレーター」として現場に立ちました。当時の売場名称は「家具装飾相談係」と呼ばれていましたが、生活者の視点から空間を提案するその役割は、のちのインテリアデザイナーやコーディネーターの原型とも言えるものでした。ICSの教育は、早くから社会の現場と接続されていたと言えます。
やがて5期生以降からは、プロフェッショナルとしてのデザイナー養成を本格化させ、建築家の中村順平をはじめ、網戸武夫、吉原正ら当時を代表する建築家・教育者が指導に加わりました。教師の数が学生を上回ることもあった初期の環境は、まさに「塾」と呼ぶにふさわしい、密度の高い学びの場でした。
ICSの教育において特に重視されてきたのが、プレゼンテーション(作品発表)です。学生が自身の考えを空間や模型、図面として提示し、それを教師が厳しく講評する。この緊張感のあるやり取りを通じて、学生は思考を深め、他者に伝える力を身につけていきました。この文化は、創立初期から現在に至るまで、ICSの教育の核として受け継がれています。
ちなみに、創立当初の第1期生は全員が女性で、卒業後には池袋の百貨店において、日本で最初期となる「デコレーター」として現場に立ちました。当時の売場名称は「家具装飾相談係」と呼ばれていましたが、生活者の視点から空間を提案するその役割は、のちのインテリアデザイナーやコーディネーターの原型とも言えるものでした。ICSの教育は、早くから社会の現場と接続されていたと言えます。
やがて5期生以降からは、プロフェッショナルとしてのデザイナー養成を本格化させ、建築家の中村順平をはじめ、網戸武夫、吉原正ら当時を代表する建築家・教育者が指導に加わりました。教師の数が学生を上回ることもあった初期の環境は、まさに「塾」と呼ぶにふさわしい、密度の高い学びの場でした。
ICSの教育において特に重視されてきたのが、プレゼンテーション(作品発表)です。学生が自身の考えを空間や模型、図面として提示し、それを教師が厳しく講評する。この緊張感のあるやり取りを通じて、学生は思考を深め、他者に伝える力を身につけていきました。この文化は、創立初期から現在に至るまで、ICSの教育の核として受け継がれています。

1973年には、市ヶ谷から目黒区碑文谷へ校舎を移転します。新校舎のロビーには、中村順平から寄贈されたヴィーナス像が置かれ、校章とともにICSの精神を象徴する存在となりました。このヴィーナス像は、日本で初めて制作された4体のうちのひとつとされる、貴重な作品です。また、研究科の設置や夜間部の拡充により、建築・家具・インテリア業界で働く人々の再教育の場としても機能し、ICSは単なる専門学校にとどまらない役割を担っていきます。
社会人や異分野から学びに来る人々を受け入れながら、ICSは常に「10年後、20年後の暮らし」を見据えた教育を続けてきました。インテリアを生活文化や社会のあり方と切り離さずに考える姿勢は、創立から半世紀以上を経た現在も変わることはありません。
住まいとは何か。空間とは誰のためにあるのか。
柄澤立子が一人の生活者として抱いた問いは、かたちを変えながら、いまもICSの教育の根幹に息づいています。
社会人や異分野から学びに来る人々を受け入れながら、ICSは常に「10年後、20年後の暮らし」を見据えた教育を続けてきました。インテリアを生活文化や社会のあり方と切り離さずに考える姿勢は、創立から半世紀以上を経た現在も変わることはありません。
住まいとは何か。空間とは誰のためにあるのか。
柄澤立子が一人の生活者として抱いた問いは、かたちを変えながら、いまもICSの教育の根幹に息づいています。

近年の建築デザインにおいて、建築とインテリアを一体のものとして捉える視点は、必ずしも主流とは言えなくなっています。この展示を通して、建築とインテリアを一体として考えることの意味を、来場者それぞれの視点で捉え直す、ひとつのきっかけとなれば幸いです。

「Lina Bo Bardi - 人と文化をつなぐ家具 - 」
◉会 期|2026年1月16日(金) – 1月21日(水) / 日曜・祝日は休館
◉時 間|平日10:00 – 19:00 / 土曜11:00 – 16:00
◉会 場|〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1丁目5−6 / ICS Base (ICSカレッジオブアーツ1F)
◉入 場|無料(申込不要)
【展示会開催記念|ギャラリートークイベント】
「LINA BO BARDI ―人と文化をつなぐ家具―」展を記念し、1日限りのトークイベントを開催いたします。 展示作品や資料を交えながら、建築家リナ・ボ・バルディの家具とその背景について、ここでしか聞けない内容をお届けします。
◉日 時|[第1回]2026年1月17日(土) 14:00 – 15:00(質疑応答・交流含め)
|[第2回]2026年1月21日(水) 19:00 – 20:00(質疑応答・交流含め)
※各回の内容は同じ内容となります
◉会 場|〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1丁目5−6 / ICS Base (ICSカレッジオブアーツ1F)
◉定 員|15名
◉参加費|各回1,000円/ドリンク付き(当日現金支払い)
◉申 込|事前申込制
◉会 期|2026年1月16日(金) – 1月21日(水) / 日曜・祝日は休館
◉時 間|平日10:00 – 19:00 / 土曜11:00 – 16:00
◉会 場|〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1丁目5−6 / ICS Base (ICSカレッジオブアーツ1F)
◉入 場|無料(申込不要)
【展示会開催記念|ギャラリートークイベント】
「LINA BO BARDI ―人と文化をつなぐ家具―」展を記念し、1日限りのトークイベントを開催いたします。 展示作品や資料を交えながら、建築家リナ・ボ・バルディの家具とその背景について、ここでしか聞けない内容をお届けします。
◉日 時|[第1回]2026年1月17日(土) 14:00 – 15:00(質疑応答・交流含め)
|[第2回]2026年1月21日(水) 19:00 – 20:00(質疑応答・交流含め)
※各回の内容は同じ内容となります
◉会 場|〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1丁目5−6 / ICS Base (ICSカレッジオブアーツ1F)
◉定 員|15名
◉参加費|各回1,000円/ドリンク付き(当日現金支払い)
◉申 込|事前申込制