Sergio Rodrigues & Ricardo Fasanello展
- 異彩なブラジリアンモダニズムを探る -
この度、CASA DEは近年注目を集めている「ブラジリアン・モダニズム」をテーマに、セルジオ・ロドリゲスとリカルド・ファザネロという二人のデザイナーに焦点を当てた企画展「Sergio Rodrigues & Ricardo Fasanello展 ~異彩なブラジリアンモダニズムを探る~」を、2025年4月1日から4月18日まで青山の駐日ブラジル大使館にて開催致します。
2025年は、日本とブラジルが1895年に外交関係を樹立してから130周年の節目でもあります。このような歴史的な背景の中、本展は両国の文化交流のさらなる深化を図るために企画されました。
セルジオ・ロドリゲスは、温かみのある有機的なデザインとブラジル特有の自然素材の活用が特徴で、土着的なインスピレーションを取り入れながら、それをモダニズムデザインに融合させました。一方、リカルド・ファザネロは、彫刻的なフォルムと革新的な素材の組み合わせを追求し、洗練されたデザインを通じてモダニズムの新たな可能性を切り開きました。一見対照的に見える二人のデザイナーをつなぐ「ブラジリアン・モダニズム」とは一体何なのか。
本展では、彼らの家具を通じてその本質を探りながら、来場者の皆さまがこの問いを自由に考え、独自の視点を見つけて頂ける機会となることを願っております。

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会 期 | 2025年4月1日(火)- 4月18日(金) 11:00 - 17:00 ( 土・日 閉館日/最終入場16:30 )(※入場無料・ アポイントメントフリー )
会 場 | 駐日ブラジル大使館
主 催 | ART MODERN JAPAN 株式会社( Gallery CASA DE / ATELIER GALLERY )
企画協力 | 駐日ブラジル大使館 , Instituto Sergio Rodrigues, Atelier Ricardo Fasanello, Sergio Rodrigues Atelier, Lin Brasil
協 賛 | ガラナ・アンタルチカ
アクセス | 東京メトロ銀座線「外苑前駅」3 番出口より徒歩 10 分
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Sergio Rodrigues :セルジオ ロドリゲス (1927 - 2014)
ブラジル生まれ。
家具デザインを手がけて60年の節目となった2014年に同市でその生涯を終えます。1200ものデザインを起こし、その半分は実際に生産されたと言われています。ロドリゲスは、1952年の大学卒業後、クリチバに移り、カルロ・ハウナーらとともに家具事業をスタート。1955年にリオデジャネイロに戻り、量販家具メーカーの「Oca」を設立しました。彼は、無垢材、特にジャカランダを好んで用い、それに皮革や布地、籐、金属など、違う素材を組み合わせたデザインを数多く生み出しました。オスカー・ニーマイヤーとルシオ・コスタの依頼により、1960年に落成し、のちに世界遺産に登録されたブラジリアの多くの政府庁舎に、ロドリゲスの家具が納められました。



Ricardo Fasanello :リカルド ファザネロ (1930 - 1993)
ブラジル生まれ。
リカルド・ファザネロは、独学でデザインを学び、自ら製作も行うブラジルのアーティスト兼職人です。14歳で帆船を設計するなど、幼少期からその才能を発揮しました。ボートや趣味のレーシングカー設計で培った技術を家具デザインに応用し、グラスファイバーやポリエステル樹脂など、それまで家具には使われていなかった新素材を積極的に採用。レザーなどと組み合わせ、新たな美学を創造しました。
1960年代、リオデジャネイロのサンタテレーザに工房を設立し、職人たちと共にアイデアを形にしました。「アネルチェア」や「ファルドスソファ」、「エスフェラ アームチェア」などの作品は、未来的なデザインと人間工学に基づいた快適性を両立。特に「エスフェラ」は、2008年にサンフランシスコ近代美術館のコレクションに加わり、国際的な評価を得ました。ファザネロの都会的で洗練されたデザインは、モダニズムの象徴として現在も輝き続けています。



・ Fernando MendesとRenata Aragão 特別来日トークイベント
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4月の「Sergio Rodrigues & Ricardo Fasanello展」の開催に先駆け、3月5日にセルジオロドリゲスの親戚でもあり、財団の代表を務める Fernando Mendes氏とRenata Aragão氏による特別トークイベントを駐日ブラジル大使館にて開催いたします。当時の製作背景やエピソードに触れる貴重な機会となります。
皆さまお誘い合わせのうえ、ぜひご来場いただきますようお願い申し上げます。
ご希望の方は、こちらのリンクよりご応募ください
※先行予約順となりますので、定員になり次第、締め切りとさせて頂きます。
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開催日 | 2025 年 3 月5 日( 水) 14 時- 16 時 ( 入場13 時30 分から)
会 場 | 駐日ブラジル大使館


Fernando Mendes / フェルナンド メンデス (1965-)
フェルナンド メンデスは、ブラジルの著名な家具デザイナー、木工職人であり、また、Sergio Rodrigues(セルジオ・ロドリゲス)の親族(従兄弟)であり、彼の後継者としても知られています。1965年にサンパウロで生まれ、1984年以来は、リオデジャネイロに在住し、自身のアトリエを構えています。
ロドリゲスは「ブラジル・モダニズムの父」と称され、温かみのある木材を活かしたデザインで国際的に評価されました。フェルナンドはロドリゲスの工房で30年以上に渡って経験を積み、その哲学と技術を受け継ぎながらも、自身の感性を加えた作品を生み出しています。
フェルナンドのデザインは、ロドリゲスの特徴である快適性と職人技を継承しつつ、現代的な視点を取り入れている点が特徴です。特に、彼の作品には伝統的な木工技術を尊重しながらも、ブラジルの自然や文化を反映した有機的なフォルムが見られ、木材の温もりを最大限に引き出す技法が用いられています。また、ロドリゲスの代表作「Mole Chair」の精神を継ぎつつ、新たな解釈を加えた椅子や家具を制作し、ブラジルデザインの進化に貢献しています。
自身のオリジナル作品で数々の賞を受賞しており、IFデザイン賞、ドイツデザイン賞(Design Preis Deutschland)、そしてブラジル・カサ美術館賞(Prêmio Museu da Casa Brasileira)などが挙げられます。
現在、リオデジャネイロ州の山岳地帯であるヴァレ・ダス・ヴィデイラスにも工房を構え、プロトタイプの開発を行っています。また、アトリエを運営する傍ら、「セルジオ・ロドリゲス協会(Instituto Sergio Rodrigues)」の代表も務めています。
こうした背景から、フェルナンドはロドリゲスの遺産を受け継ぎつつ、ブラジル家具デザインの未来を切り開く重要な存在として注目されています。